2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「友人の友人」というレトリック

講演で「私の友人の友人がアルカイダだ」と語った鳩山邦夫。 私の友人の友人がアルカイダ(国際テロ組織)だ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた

愛国者って何なの。

ふふふ。右翼の書いた本を読むなんて。自分でも笑ってしまう。実は、日本共産党が書評欄でこれをとりあげ、右翼の最大の標的にされてきたのがほかならぬ日本共産党だと思っていたので、その政党がこの本を取り上げたこと自体、私には興味津々だった。

『アッツ玉砕』と太田光

回顧展を機に藤田嗣治の戦争画が話題にのぼったことが昨年あった。 「アッツ島玉砕」で有名な藤田だが、戦争画の是非をここで論じようとしているのではない。以前に、太田光の憲法観を私はとりあげ、安倍晋三のそれと比較した(参照)。そこには鮮やかな差異…

国民皆保険をめぐる日米の動向

ヒラリー・クリントンにとっては、米国に皆保険制度を導入することは悲願だということかもしれないが、大統領選のウリの一つであることにかわりはない。かつて大統領夫人時代に導入を主張し、反対にあってつぶされた経緯がある。

介護から人材が逃げる。

ワーキングプアといわれる層は特別の環境におかれている人だけをさしているのではない。人間を労働の対象とする介護職の現状も深刻であり、またワーキングプア層を生みかねない構造になっている。

ひれふす小泉

小泉氏、米大統領にひれ伏す サミット秘話、写真は載せず(共同通信) このニュースが伝えるのは、ひれふす小泉の姿が日米関係の象徴だということ。 花・髪切と思考の浮游空間; ひれふす小泉氏と安保条約で言及した。

加藤周一という思想

だれでも、こだわりつづけ、ずっと長い間よみ続けている作家や思想家がいるのではないか。加藤周一は、私にとってはそんな一人。だから、とりあげないわけにはいかない。よみ続けてすでに数十年、自伝的な『羊の歌』から『日本文学史叙説』まで。目を開かれ…

環境問題と養老孟司

著者養老孟司氏はいうまでもなく「売れっ子作家」である。どこの本屋にも著作が並んでいる。 本書『いちばん大事なこと ―養老教授の環境論 (集英社新書)』はサブタイトルにあるように解剖学者の養老氏の環境論である。つまり、いちばん大事なことは環境だと…

それぞれの極上品

書斎というには粗末な環境で、どこにでもあるような文具を使ってきた私には、『書斎の極上品』というタイトルはまったく似つかわしくはない。 6、7年前の話。この時期、文房具に多少興味があり、ひょっとしたら凝っているのだと自分で勝手に考えていたため…

戦後責任論

原本が出版されてすでに丸6年は経過しているが、その主張の射程は現在をとらえていると思う。以下はcoleo流メモ。 責任の意味 本書の題名にかかわる責任ということを、高橋哲哉は、responsibilityということばを用いて、「応答可能性」という切り口でとらえ…

医療費が国をほろぼすのか…。

医療費がふくらみすぎてこのままでは日本をつぶしてしまう―。 この考えは、1983年の吉村仁氏(厚生省保険局長・当時)の主張に端を発している。以来、医療費を抑制することを中心に医療行政がすすめられてきた。 老人の医療は枯れ木に水をやるようなもの…

平和の意味の拡張。

戦争がない状態を平和とよぶ考え方がある。その考えにしたがえば、この60数年、日本は平和だったということになるだろう。最上敏樹氏が『いま平和とは―人権と人道をめぐる9話 (岩波新書)』のなかで、このような平和のとらえ方にたいして、平和の意味を拡張…

[メモ]世界戦雑感

唸る。政治も劇ならば、格闘技はもちろん劇。これが実感。 ボクシングを観にきた客は、ちがうものをみせつけられたというわけ。

「戦争プロパガンダ10の法則」

「戦争プロパガンダ10の法則」というものがある。この10の法則とは以下のとおり。

ブログに何ができる…。

1995年は日本におけるインターネット元年という説があって、それ以来、仮にわれわれがネット環境にいなければ、それだけで仕事がちっとも進まないと多くの人が実感する時代になってしまった。そうした変化を日本社会の変容とよぶとすれば、その変容はわ…

「政治家の息子とプロ野球の息子」。

と、一風変わったタイトル。実は、橘木俊詔氏の著書『格差社会―何が問題なのか (岩波新書)』のなかの小見出しをそのまま拝借した。 格差社会という言葉は知らぬ者がいないほど広がった。そして、「格差の何が悪い」といい放ったのが小泉純一郎だというのも、…

「悲劇の定義」の主人公

11万を超える人が集う集会は予想をはるかに超えるものではあったが、偶然の産物でも何物でもなかった。すでにことし6月末には、沖縄の全議会が「集団自決」をめぐる教科書検定意見撤回を求める意見書を可決したという事実がある。県議会および41市町村議…

観客民主主義から脱出…。

「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開した。「さらば」っていえる? 観客民主主義。

サルコジの暴走

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2292461/2204275 交通違反者にたいする厳罰主義をかかげているサルコジ仏大統領が、最近、自ら交通違反常習者だったことが明らかにされた。仏自動車誌オトプリュスは、大統領の乗った車がスピード違反や信号…

神の領域はどこにある…

神はどこに在るのか。子どものころの疑問だった。といっても、思想家の思索というものではむろんない。神さまって、いる、いない、という単純な話だ。見ない、見えない神さまって、いったいどんな「人」か、そんな他愛のないものだったように思う。

「悪魔のささやき」と格闘する。

ライブドアや村上ファンドをめぐる一連の騒動、耐震偽装建築、防衛施設庁談合事件をはじめとする官僚と企業の癒着、“小泉劇場”と呼ばれた2005年衆院選での自民党の圧勝、ネットで知り合った赤の他人同士による集団自殺、引きこもりやニートの増加、子供…

喪失の意識を奪うベンチとオブジェ

たとえば地下鉄のホームに設置されているベンチ。 ほとんど不必要だと思える肘掛けがついている。あるいはそれほど役にたたない(たっている人もいるかも)。4人の大人が座ることのできるほどの長さのベンチであれば、肘掛けはようするにベンチの全長を等分…

生きていてくれる可能性

生きていてくれさえすればいい 死の危険に脅かされているために「生物学的に強い子ども」でならなければならない社会と、とりあえず生き死にの心配がないので「生物学的に弱い子ども」でいても平気な社会を、内田樹氏は念頭に置いている。日本は後者に位置す…

ハーヴェイの新自由主義論

新自由主義路線の象徴ともいえる郵政民営化が昨日、持ち株会社・日本郵政株式会社のもとでスタートした。 日本を席巻して久しい新自由主義が、社会の亀裂を生み出したばかりに参院選では手痛い仕返しを結果的に食らうことになった。その中での民間会社の発足…

モノサシはどう使う。

本人が「ほんと」だと思っていることは、その人にとっては「ほんと」である。 私自身は「格差」というのは(ひろく「貧富」といってもいい)幻想的なものだと考えている*1。 だが、「ほんと」であると思うことと「ほんと」であることは別のことだ。ある人に…