2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自衛隊がソマリア沖まででかけるわけ

オバマ政権に対する世間の期待の大きさを受け止めつつ、一方で私は同政権にたいする不安をのべてきました。世間の期待は、海を隔てた異国のことであるにもかかわらず、まるで自国のことのようにメディアも扱う、異様な事態と思えるほどのものでした。なかに…

湯浅誠スピーチ− 社会を社会たらしめ、単なる人間の群れではない位相を

以下は湯浅誠氏の、大佛次郎賞受賞スピーチです。 90年代は、野宿の問題は自己責任論で片付けられてきました。問題の本質を直視しないうちに、貧困がどんどん広がってしまって、中間層に迫っている。自己責任論で片付けているだけでは問題はむしろ悪化する…

消費税増税のエンジンを止めるために

昨年12月24日に閣議決定された「中期プログラム」(参照)。2011年からの消費税増税と、そのための法的措置を講じる事、法人税減税をうたっています。同時に、「基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置や年金、医療及び介護の社…

連合「ブーイング」サイト閉鎖− さもありなん。。

連合の折角の取り組みですが、その意図はどこにあったのでしょうか。率直に首をかしげたくなります。http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009012800062 仮にも労働組合なのですから、労働者の、あるいは組合員の不満に耳を傾けるのは当然でしょう。しかし…

景気悪化、不況から身を守るために

以前から社会保障の経済波及効果に言及していた厚生労働省は、厚生労働白書でこうのべている(参照)。 社会保障関係事業の総波及効果は全産業平均よりも高く、「精密機械」や「住宅建築」と同程度となっている社会保障分野、特に介護分野は労働集約的である…

雇用を減らして成長できるのだろうか

非正規雇用へのシフトで膨大な利益をあげてきた大企業。労働者派遣法の制定と相次ぐ改定がそれを後押ししてきたのは否めない。こうした大企業だけが途方もない利益をあげるという一極化の構図は、結局、日本全体の経済成長にとっては貢献することはなかった…

山岡賢次氏は民主党の体現者または民主党の腰砕け。

山岡氏が窮地に立たされている。不透明な資金問題が発覚したためだ。栃木県真岡市の市長選で公設秘書を派遣する見返りに400万円の献金を要求されたというもの。 こんな疑惑がどんな形で回収されようとしているのか、そこに私の関心はある。 http://mainic…

派遣村の経験と攻防

派遣切りを、この不景気を乗り切るための方針として大企業が定式化したかのように、少なくない企業が発表し、解雇者数が雪だるま式に増えるのが報道されてすでに久しい。年度末には8万5千人にのぼるだろうというのが公式の予測だが、おそらくそれを上回る…

ワークシェアという言葉に振り回されるな

御手洗富士夫氏が語ると、経団連会長の言葉ですから、やはり影響力がある。ワークシェアリングも一つの選択肢で、そういう選択をする企業があってもいい http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090106-OYT1T00626.htm

消費税増税のための、与謝野氏の方便がここにある。

与謝野経済財政相の言葉は、さりげなく聞けば耳障りのよい、あたかも妥当なものであるかのように受け止めることができるのでしょうが。でも、単純にはもっともだとは受け取れない、先に片付けられねばならない問題をふくむ発言でもある、こう思います。消費…

財界政党なんて面白くない

日本経団連は、周知のように2002年に日経連と統合し、総合経済団体になりました。重要なのは、これを機に、政治との新たな密接な関係を追求してきたことです。90年代には企業献金の全面禁止を視野に入れていたのですから、その変わりようは明らかとい…

二つの党大会と西松建設献金問題

もう一つの日本の可能性というエントリーで、西松建設の違法献金についてふれた。下記の報道によれば、西松建設は周到な手法を準備し、大がかりな裏金づくりと違法献金をつづけていたようだ。同時に、私が目を奪われるのは、かかわっている政治家の顔ぶれで…

国民無視でも増税をいうに等しい朝日社説

「付則に明記し決意示せ」−こう煽るのは、朝日新聞社説です(1・17付)。税制改正関連法の付則に消費税増税を明記することは、法案がとおれば増税を基本方向として確認するということにほかなりません(昨日エントリー)。手続き上、国民に是非を問わない…

消費税増税− 口実を変えた政府

消費税増税を税制「改正」関連法案の付則に明記する方針を麻生首相は固めたといいます。これに、菅直人氏が以下のように反応しているようです。あいかわらずの政局をからめた反応です。菅氏の期待がどうであろうと、消費税増税を付則に盛り込むという意味を…

自衛隊勧誘という究極の貧困ビジネス

きょう、ある会合で派遣切り・解雇の横行が話題になった。政府の対応が、局面が求める迅速性とはおよそかけ離れていて、労働者の雇用とくらしなぞ、ほとんど視野にないのではないかという意見が圧倒的だった。同じように、地方自治体の対応も、痛いところに…

もう一つの日本の可能性

西松建設が裏金をつくり違法献金していた件で、東京地検が、政治資金規正法違反と外為法違反の両容疑で、幹部ら関係者のいっせい聴取を始めたと伝えられている。詳細は今後に委ねられるのだろうが、この時期に、この発表がどんな意味をもつのか、などと考え…

なぜ「派遣村」を支持するか

「年越し派遣村」がこれだけ話題をさらったのは、不況の深化と新自由主義の残した日本社会への傷跡がいかに大きかったのか、国民の少なくない部分が大なり小なりそれを受け止めているからだろう。メディアも無視することはできなかった。 「派遣村」の取り組…

朝日新聞「資本主義はどこにいく」の語るもの

朝日新聞11日付は、「資本主義はどこへ」という特集を組んでいる。 もし今、この二人が生きていたら。大恐慌下の73年前、その後の経済学を変える「一般理論」を書いた経済学者のケインズと、同じく恐慌を経験し「マネジメントを発明した男」と呼ばれる経…

赤木智弘氏の着眼のおかしさ

古井戸さんからのTBで知った(参照)。帰宅途中、赤木氏の記事をこの目でたしかめようと毎日新聞の紙面を探してみたが、みつけることがかなわなかった。だから、古井戸さんの引用によるしかないことを最初に断っておく。赤木氏の見解に疑問を私は率直にも…

オバマのナイ起用に対する懸念

米駐日大使にジョセフ・ナイ氏 オバマ新政権オバマ新政権への期待は、医療保険制度の改革、金融危機への対応など、彼がこれまで取ってきた態度から判断して期待が高まるばかりです。私は、しかし、オバマが大統領選で当選した際、いくつかの懸念をもっていま…

坂本哲志発言と新自由主義からの決別ということ。

新自由主義が世間の厳しい目にさらされている。 さかのぼれば臨調行革にたどりつく、日本の新自由主義の流れ。その残した亀裂に国民の多くが直面し、ようやくこれではだめだと気づくこととなった。臨調行革が路線として明確に敷かれることになったとき、私た…

朝日見解にたいする疑問− 「対決」を強調したところで。。

星さんが、いくら「激突国会である」と語っても、とてもそう思えないのです(朝日新聞1・6、「政態拝見」)。 通常国会が5日に開会しました。たしかに冒頭から、民主党は第2次補正予算をめぐって対決の姿勢ですが、少しも自民、民主の対決の姿が私には浮…

内部留保を吐き出せ− 河村発言を全党一致で実行させよ。

この記事を知って、正直少々動揺した。驚いた。 河村官房長官:雇用維持、内部留保で 企業に活用促す自民党の内閣官房長官にこう語らしめるのは何か、考え、疑った。 なにぶん、財界・大企業に拠ってきた自民党が雇用の確保に内部留保を活用せよというのだか…

『サンデーモーニング』の語る「米国の黄昏」

米国の威信が低下しているのは誰もが認めるだろう。TBSはこんな時流を早速、番組にしていた。今朝の『サンデーモーニング』では、寺島実郎や金子勝が「米国の黄昏と世界の危機」について議論していた。

新自由主義からの決別を語れない「朝日」社説

元日の朝日社説の結論は、「たくましい政治が要る」ということだ。混迷の中で考える―人間主役に大きな絵をしかし、「たくましい政治」とはきわめてあいまいで、いまの政治からどう転換を図るのか、まったく定かではない。結局、今の政治のゆがみ隠し、それに…