2008-01-01から1年間の記事一覧

読売、解雇労働者の「生活保護」受給に水

おそらく今後、さらにふくれるであろう解雇、雇い止め。あの三池闘争の発端になった当時の解雇をはるかに上回る人数です。当時と異なるのは、経済のグロバール化と新自由主義的な展開のなかで、企業が国内の消費より海外を重視した結果、一転、不況の深刻化…

失業率は、高い労組組織率ほど高くなる?!

五十嵐仁氏の著作についての池田信夫大先生の書評をめぐって、波風が立っている。池田氏のものしたものが果たして書評とよべるのか疑問だが、知人の紙屋研究所がすでにこれに的確な批判を加えている。http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/roudousaikisei.html …

年の瀬に思う#4− 浅き夢見し。政治の行方

08年もほぼ終わり、浅き夢見し、政治はどう移ろうのか。政治の世界では、いよいよ自民党政治がゆきづまったという実感と切り離せない。それはたとえば、自公政権の窮状、この間の政策的混迷に端的に表われている。それを軌道修正することは、とくに自民党…

年の瀬に思う#3− 祝儀相場もありえない政治の現状

この年の出来事の一つに、金融危機を欠かすことはできない。事の発端からすでに1年はとっくに過ぎたわけだけれど、いまだに危機から脱出したとは誰もいえない。よくいわれる100年に一度という言葉が、いまの資本主義がこの危機をいかに大きなものとして…

年の瀬に思う#2− 貧富の二極化と新しい福祉国家

金融危機の影響が各国の実体経済を確実にとらえている今日、経済グローバリズムと新自由主義政策が、先進国での第三世界でも富と貧困の二極化をさらに進めることを実感させています。70年代以降、各国で国家改造がおこなわれました。つまり、それまで国内…

政権交代論者の憂鬱

ネタが尽きると、この人の元へ。というわけでもないのですが、この学者先生は相当、脇が甘い。先日は、件の高名ブロガーに手酷い批判を浴びていました。何しろこの山口二郎先生は、小選挙区制度の導入を、世間からみると右・左分けると「左寄り」の立場から…

反貧困の流れを広げることについて

年がかわろうとするときに、つぎつぎに発表される解雇とその計画を到底、黙認することは私にはできません。したがって、このところ、この問題に力点をおいてエントリーを繰り返してきました。そのエントリーの一つに、「労働者」というHNをもつ方からご意…

世相を拾う(12月20日)

ヒセイキという現実または靴を投げられたブッシュ ブッシュが靴を投げつけられたそうだ。会見を取材にきた記者が会見する側に大小の暴力的行為を働くとすれば、会見自体の成立条件を欠くことになる。当該の記者もそんなことは十分承知の上で、記者の職業倫理…

解雇の年末− 働く能力のある者全てに機会を

ポスト麻生をめぐる動きが活発になって、自民党内で反目しあう状況を招いている。政界再編を前提に動き始めた一部にたいする党内からのさや当てが強まれば、一方の側がそれに反論するという具合に。重要なことは、彼らが、緊急の課題ともいえる労働者の雇用…

小沢一郎氏− 派遣切りも政権交代に回収するのか

他の言葉で置き換えるならば、やはり使い捨てとしかいいようのない派遣切り。新しい年が一歩一歩近づくにつれて、たとえ一人の解雇であっても、その社会的意味の大きさを私は取り上げざるをえません。この日本国では、それが数百、数千の規模でまるでなだれ…

世相を拾う(12月17日)

キヤノンの恥辱− 杵築市が失業者を臨時雇用 キヤノンに首を切られた失業者を、杵築市が臨時職員として雇用する方針を決めたらしい。杵築市の決断は評価される。が、本来、労働者の雇用に誰が責任を負うのか、この点をはっきりさせておく必要がある。キヤノン…

歳末鳥獣戯画−希望は戦争か、連帯か

新しい年がすぐそこに迫ってくるこの時期は存外、残酷なのかもしれません。現在からみて好調を維持し今後はさらに有望だと予測可能な人がいる一方で、ある人にとっては、いまの自分の置かれている環境を慮り、そして年の瀬が自分の将来にたいして悲観を迫る…

追悼− 加藤周一の眼

その死が伝えられたとき、さまざまな思いはめぐったのだが、書こうにもその気力は微塵もなかった。かろうじて翌日、数行の文章をエントリーした。加藤の自伝的文章は周知のように『羊の歌』だが、2008年12月5日でもって、その終章が完結したといえる…

反新自由主義連合のこと。

2008年も残りわずかなので、この年を独断的に振り返ってみたい。この年は、金融危機をあげないわけにはいかない。米国から世界にその影響はおよび、確実に各国の実体経済を締め上げている。いうまでもなく、日本経済も免れない。昨今の期間工・派遣切り…

税金のつかいみちに着目するということ。

首をかしげたくなるのは、いまだに「大きな政府」とか「小さな政府」を無前提に、しかもその是非を語ろうとする風潮がある点。「大きな政府」か「小さな政府」かという議論は、それほど有益なものではない。ちょうど小さなものをさらに小さくするのが構造改…

止まらない人員整理− 産業予備軍としての非正規

ソニーが正職員を削減する方針だということが報じられている(参照)。金融危機を発端にした日本での首切りは新たな段階に移行したといえる。事態はいっそう深刻さを増している。今日、明日の期間工・派遣労働者切りをやめさせるとともに、労働者を守る本格…

世論調査を読む− 政治を変える者への模索

予想したとおり、ポスト麻生に照準をあてたメディアの報道が相次いでいる。自民党内のブレを報じたもの、民主党からのゆさぶりを強調するものなど、その意味で多彩だといえなくもない。重要なことは、こんな自民、民主の、あるいは他の政党もからんでいるの…

政党再編の可能性− 展望は見いだせるのか。。

三大紙がいっせいに麻生内閣の支持率の急落を伝えている。昨日の朝のテレビ番組では、麻生内閣への圧力を強めている渡辺喜美が登場し田原総一朗とおしゃべりを繰り返していたが、焦点は、解散を迫ると同時に政党再編への意欲を渡辺が語るというところにあっ…

加藤周一のこと

加藤周一逝く− 『羊の歌』終章 明晰な頭脳。明瞭な文体。加藤はそんな男だった。その思想と文体に酔い、その文章のほとんどに接した。そして、最近の九条の会での加藤。思想と実践において心を寄せること、しきりだった。その意味で石川淳同様、私のなかで加…

自民党は予算編成を乗り切れるのか。

ウソかホントかまったく分からないが、自民党の役割は終わったと麻生首相がいったそうだ。もっとも、最近の政府の対応をみれば、その右往左往は眼を覆うばかりだ。ひどい。昨日いったことが、翌日には変更される。しかも、党内でも、閣内でも一致されたとは…

橋下氏の非寛容− ケータイはダメだ。。

橋下知事「学校にケータイ必要ない」、府立高で使用禁止に 過去のエントリーでこう書いたことがあります。橋下氏の今回の判断で思うのは、このことでした。 70年代のアメリカで「学級崩壊」をはじめ諸問題に対処するためにとられたゼロ・トレランス。日本…

流行語大賞に思う− 蟹工船とネットカフェ難民

ことしの新語・流行語大賞が発表された。十指に、蟹工船が入っているという。世相を反映している。思い出すのは、昨年の同賞。ネットカフェ難民が大賞に選ばれていた。それでは、ネットカフェ難民が文字どおり流行に終わって、死語になっているのかといえば…

世相を拾う(12月1日)

「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しています。 年の瀬に思うこと− 期間工の決起と「大連立」 年の瀬が迫る。 毎年のことだが、新しい年を迎えるにあたって、旧い年がいかようであったにしてもそれを一旦、横において、むしろ新たな展開に期待…

失業が減った?

件の党首討論は今朝のテレビ「サンデーモーニング」でも酷評されていた。評価は大方そのあたりだろうと思うのだが、一部ブロガーの波長はそれとは異なるらしい。呆れてしまうくらいの内容でひいきを宣伝している。あれほどの低レベルの議論の勝ち負けなどほ…

世相を拾う(11月29日)

党首討論の決算書 私は以前に、安倍・小沢の党首討論をB級映画だと評したことがあります(参照)。今回も、この域を少しもでませんでした。以前にもまして民主党が政権交代などと強調しているものですから、自然とこちらの見る目も、では将来を託せるものか…

世相を拾う(11月28日)

麻生首相に社会保障は語れない。。 社会保障は、その対象にあらかじめ誰かを排除したものではないはずです。ですから、首相の発言は認識不足もはなはだしいといって過言ではないでしょう。あえてこんな言い方をすれば、何もしない人、できない人でも救う、こ…

英国の消費税引き下げ− 日本との落差

景気刺激策として妥当な策だと考えていたので、思わず拍手喝采。海の外の出来事なのに。日本で、なぜこんな対策が実現しないのか。その落差を、しみじみ考えさせるニュースだった。英労働党政権天晴れ。 イギリス:消費税引き下げ 3兆円近い景気対策を発表…

世相を拾う(11月27日)

「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しています。 競争だよ、世の中は− 橋下知事の言い分 競争だよ君、世の中は。こんな調子で橋下知事はいうのでしょうね。伝えられるところによれば、教育とは競争であるかのような橋下氏の発言です。「子ども…

麻生政権、最初の60日

米国には「最初の100日」があるらしいが、日本にはない(参照)。麻生政権が誕生しすでに2カ月がたった。だから、この2カ月を、おおまかにふりかえってみる。繰り返しのべるよう、この政権にもまた、改憲をめざし、構造改革を継続することに政権の使命…

総選挙後− 3つの可能性

解散総選挙は予測がつかない。ただ私たちの眼前で繰り返されるのは、自民党と民主党、両党の迷走ばかりだ。二代つづけて政権を投げ出したのだから、やり残しの課題が当然ある。それは、改憲と構造改革の継承だ。引き継ついだ麻生政権も、この2つの課題から…