世相を拾う(11月28日)

麻生首相社会保障は語れない。。

社会保障は、その対象にあらかじめ誰かを排除したものではないはずです。ですから、首相の発言は認識不足もはなはだしいといって過言ではないでしょう。
あえてこんな言い方をすれば、何もしない人、できない人でも救う、これが社会保障でしょう。

首相が発言したのは、経済財政諮問会議でのこと(記事参照議事録)。

経済財政諮問会議参照)では、およそ常識的とはいえない発言も許容される環境にあるということでしょうか。ちなみに同会議メンバーはこんな顔ぶれです。



この構成から、社会保障を充実させる方向が出るべくもありません。そうではなく、記事が伝えるように、「社会保障費の抑制や効率化」を課題に、構造改革をいくらか手直しをやるにしても継承していこうというのが議論の柱に置かれています。

財界のトップと一部の学者という有識者と閣僚によって構成される同会議は、首相がトップダウンで政策を決めるための機関として小泉首相時代に生まれたものです。かつて経団連では、当時の委員、奥田氏の意見はほぼ通っていると豪語していたくらいですから、財界・大企業の意向が大きく反映する議論の結果であることにちがいはありません。

これもまた、現政権がどこをむいているのか、それを如実に示すものではないでしょうか。

さて、麻生首相に戻ると、首相が払う、払わないと語るのは勝手でしょうが、しかし、あらかじめ誰かを排除するという首相の考え方は、そもそも社会保障を語れるものではありません。社会保障を語るには、すべての人びとを視野に入れてはじめて語れるものではないでしょうか。
(「世相を拾う」08247)


追記;あらかたを早朝にまとめておいたのですが、帰宅してみると、首相は釈明していました。けれど、釈明したからといって、彼の思想がかわるわけではありません。

「花・髪切と思考の浮游空間」に同文を公開しています。