思いやり予算見直しはほんとうか。


「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しています。
日本政治の転機になりうる− 思いやり予算見直しはホント?

首相の言葉どおりに受け止めると、画期的な答弁です。
だって、思いやり予算見直しをかつて口にした首相がいたでしょうか。いませんでした。これまでの日本の政治をゆがめる要因の一つに米国追随があり、その典型が法外な思いやり予算と当ブログは主張してきましたから、思いはなおさらです。
思えば、金丸信が日本側が負担するといってはじめた思いやり予算。1978年のことでした。そのときは、在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部(62億円)を負担するというものでしたが、みるみるうちにその額はうなぎのぼりに上がり、とんでもない多額な予算を準備しないといけない羽目に日本は置かれている。在日米軍駐留経費負担のいいかえですが、日米地位協定をもとに支出されるとしています。が、そんなもの協定のどこにも見当たらないのが事実です。

鳩山首相の答弁は、したがって画期的といってよいと私は思います。言葉どおりに実践されれば、日本の政治をゆがめてきた米国への追随姿勢をあらためるきっかけになるのは確実でしょうから。ただ、懸念するのは、鳩山氏がこういったからといって、確実に実行に移される可能性が大きいかといえばそうでもないのが現実でしょう。
なぜなら、総選挙時には国民・有権者にむけてあれほど約束した、たとえば後期高齢者医療制度の廃止は必ずしも日程にのぼっているわけでもない。いわゆる打ちあげ花火に終わっている現状があるのですから、不安が残るわけです。
あえていえば、民主党政権に求められているのは、国民に約束した、国民が望んでいる施策をただちに実行に移すことではないでしょうか。
一抹の不安をぬぐいきれませんが、口先だけのことにならないように願いつつ記事全文を掲載しておきます。
実行に移せば、もちろんかつてない快挙だと諸手をあげて賞賛したいと思うのです。

「村山談話」踏襲と鳩山首相 思いやり予算見直し必要

鳩山由紀夫首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が29日午後、衆院本会議で前日に続いて行われた。首相は、侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」について「新政権は歴史をまっすぐ正しく見詰める勇気を持った政権だ。談話の思いはこの政権でこそ尊重されなければならない」と述べ、踏襲する考えをあらためて表明、アジア重視の姿勢を示した。

在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)については「わが国の負担をより効率的で効果的にするため包括的な見直しが必要」と指摘。「透明性を確保しながら見直しに取り組んで理解を得たい」と述べた。

衆院では民主、国民新両党が質問を見送ったため社民党重野安正幹事長が与党で唯一、質問に立った。重野氏は、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移転問題について「沖縄県民の負担軽減の観点から見直しの方向で臨む」とする3党連立合意を強調し、県外・国外移設の実現を迫った。

ただ、首相は「外相や防衛相にさまざまな選択肢を検討して調査するよう指示した。最後の意思決定は私自身がする」と述べるにとどめた。

子ども手当創設に伴う所得税の扶養控除や配偶者控除見直しについては「政府税制調査会で本格的に検討し、年末までに結論を出す」と述べた。

重野氏と共産党志位和夫委員長に対する答弁。