鳩山政権は社会主義的という見方のこと。


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谷垣自民総裁、鳩山政権は「かなり社会主義的だ」

自民党谷垣禎一総裁は14日、党本部で就任後初の定例会見を行い、子ども手当創設など鳩山政権の掲げる政策について「困っているところがあれば補助を入れるいう(ママ)議論が多く、かなり社会主義的な政策体系だ」と述べ、臨時国会で論戦を挑む考えを示した。

また、与党が23日の臨時国会召集で合意したことについて「参院補選の投開票日(25日)前に政権側の主張が一方的に伝わることになり、フェアな国会運営でない」と反対する考えを示した。与党が召集日の23日に鳩山由紀夫首相の所信表明演説だけを行い、野党側の代表質問は選挙後の26日以降になることに反発したものだ。

谷垣氏個人が何をいおうと自由でしょうが、彼は自民党の総裁ですから、発言は重みがある。はずですが、どうもこの記事によるかぎり、軽すぎるという思いを払拭できません。

現政権を社会主義的という以上、社会主義とはいかなるものか、その点は谷垣氏は当然、理解しているはずです。平たくいってしまって、生産手段の社会化をすすめようとする考え方を仮に今、社会主義だとすると、はたして現政権がそんなことを考えているのでしょうか。また、これまでいってきたことがあるのでしょうか。そうとは全然、思えない。

もちろん氏のいいようは「かなり社会主義的」というあいまいな表現ではあるのですが、氏の理解の一端を示すのは、「困っているところがあれば補助を入れる」という部分でしょう。困っているところに手を入れるのは、政治の重要な仕事の一つだと私は思ってきました。なので、こうしたものいいを谷垣氏がするということは、氏は政治にこうした役割を求めていないことの裏返しの表現だということです。彼は、困った人がいても手をさしのべない政治家と割り切ってよいのかもしれません。少なくとも、そうした政治を社会主義的と考え、自らをそれに対置してきたにちがいありません。

思い出すのは、今回の衆院選のさなかというか、最終日に、目を疑うような自民党の全面広告が出されたことです。この点について、エントリーでふれました。広告には、日本を壊すなという大きな文字が躍っていました。こうした、保守的な感情を呼び起こすことを狙いにした手法は結局はうまくはいきませんでした。今回の谷垣氏の発言は、この延長線に位置づけても不思議のない発言でしょう。
もはや自民党が堂々と政策的に民主党政権と対抗していくことは不可能なようにさえ思える事態です。

「困っているところがあれば補助を入れる」をいう方向を社会主義的と批判する立場は、日本国憲法のいう健康で文化的な生活を営む権利を(国民は)有するという規定と両立しうるのか。そもそも、困っている人へのまなざしを欠くかのような立場は根底から批判されてしかるべきではないのでしょうか。
自ら墓穴を掘り続ける自民党。こんな感じですかね。
(「世相を拾う」09223)

民主党政権は社会主義的だって。。



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