麻生首相「結婚しないほうがいい」論


「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しました。
麻生首相「結婚しないほうがいい」論− 金持ちは尊敬される。。

首相「金がねえなら結婚しない方が」 官房長官は釈明

麻生首相は23日夜、東京都内で開かれた学生との対話集会で、参加者から「若者に結婚するだけのお金がないから結婚が進まず少子化になるのではないか」と聞かれたのに対し、「金がねえなら結婚しない方がいい、おれもそう思う。うかつにそんなことしないほうがいい。おれは金はない方じゃなかった。だけど結婚は遅かった。稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい」と話した。

この発言について、河村官房長官は24日の記者会見で、「表現は直截(ちょくさい)的だが、むしろ若者の就職対策を進めなくてはいかんという思いが出たのではないか」と釈明した。


「稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい」。
金のある奴が尊敬されるに足るという思想がここにあります。そこから発言は出発しているのでしょう。
しかし、金の有る無しは、本人の意思とはかかわりのなく、麻生首相のようにあるところに生まれた者もいる。ないところに生まれた者もいる。それは、ほとんど本人の意思とはかかわりなく。
麻生氏が語った対象の学生たちはどうか。いまや金持ちの子どもでないと大学にはいけない。たとえば、いつか東大の学生の親の年収の調査が公表されていましたが、平均値はかなりの高額なものでした。大学に入ろうにもいまや経済的な高いハードルがある。

その上に、記事にあるように少なくない学生たちは、これまた自分の意思とはかかわりなく、就職の機会すら奪われている。記事のなかの質問はこうした背景から発せられたものでしょうが、わが首相は浮世離れしている。
結婚の条件づくりすら展望できない状態こそが問題なのでしょうがね。

彼も政治家ですから、その状態をいかにあらためるか、そこにふれるべきでした。それを語れないところに、私は麻生太郎という政治家の資質をみます。
金がいくらあっても、この程度の政治家という限界を乗り越えることはできない、できなかったということもまた、明らかではないでしょうか。
つまり、麻生首相は、金持ちや大企業の意向を受け、そのための優遇政策を何よりも優先してきた自民党という政党の姿勢を、もっとも典型的に、しかも単純に表現しているといえるでしょう。
まあ、毎度のことながら、河村官房長官の釈明も苦しいものですね。