田母神浮世ばなれ発言
前空幕長「広島平和記念式典は左翼運動」と発言
前航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏が25日、宮崎市の繁華街で、衆院選宮崎1区に立候補している無所属前議員の応援演説を行い、広島市で6日に行われた平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)について「日本弱体化の左翼運動」などと発言した。田母神氏は広島原爆忌の6日に広島市で講演したことに触れながら、式典の参列者について「広島市民も広島県民もほとんどいない。原爆の被爆者も、被爆者の2世もほとんどいない」「並んでいるのは全国からバスで集まってきた左翼ばかり」などと述べた。
この発言に対し、広島県原爆被害者団体協議会の坪井直(すなお)理事長は「真実とはほど遠い。相手にもしたくないが、間違ったことが風評になることは止めなければいけない」と憤る。広島市原爆被害対策部の担当者は「事実誤認であり、コメントできない」としている。
昨日の首相につづき、浮世離れの発言です。
あの田母神。
平和記念式典を左翼運動と。記事がわざわざかっこ書きにしてくれているように、これは、原爆死没者慰霊式・平和祈念式です。
平和を祈るのは左翼だけだといいきると、左翼でない、保守からも批判がでそうです。保守(支持)の人だって平和を願うのだというような。
田母神の周りはそうすると、ほとんど左翼にみえるのでしょうね。
「広島市民も広島県民もほとんどいない。原爆の被爆者も、被爆者の2世もほとんどいない」「並んでいるのは全国からバスで集まってきた左翼ばかり」ですって。
広島の人びとが、長崎の人びとが平和を願わぬことがあったでしょうか。おそらく広島や長崎以外の人びと以上に、平和を想う気持ちは強いのかもしれません。
自分の周囲は、すべて自分とは異なる人種、左翼にみえてしまう田母神は、左翼=平和祈念、右翼=平和憎悪という図式を自らの発言でつくってしまいました。
田母神は自衛隊在任中も平和を憎悪していたということが推測できるでしょう。
広島市民も広島県民もほとんどいない。原爆の被爆者も、被爆者の2世もほとんどいない
並んでいるのは全国からバスで集まってきた左翼ばかり
などと、みてきたようなウソをついています。
これには被団協の坪井氏が的確に指摘しています。
相手にもしたくないが、間違ったことが風評になることは止めなければいけない
田母神はよほどの左翼恐怖症でしょうか。みがもたぬ田母神、などと勝手に心配します。広島市の担当者のいうような「事実誤認であり、コメントできない」のではなく、事実誤認なのだから、ただちに発言を撤回させるべきでしょう。
(「世相を拾う」09167)