横浜事件− 無罪はもちろん、権力犯罪の全容解明が必要だ


人の思想を処罰してきたのが治安維持法ならば、横浜事件は、それを最も大規模に具現化した言論弾圧だ。拷問し、虚偽の自白を強要した特高。自白だけを証拠にして有罪判決を出した裁判官。本来、問われるべきは彼らだ。

横浜事件の第4次再審請求で地裁の開始決定が出た(31日)。決定は、司法の責任を認めたものだった。検察は抗告すべきではない。抗告せずに決定が確定すれば、再審が始まることになる。

しかし、いまだに言論、表現をめぐる権力の弾圧はあとを絶たない。各地のビラ配布弾圧をみよ。以前に、横浜事件に関連して、スペインが歴史の記憶法を制定したことにふれて、こう記した(下記エントリー)。

スペインの「歴史の記憶法」制定にみられるような行為は、過去を遡り、過去の出来事を私たちの脳裏に刻み込み記憶として保存することによって、将来の社会のありようにいかそうという強い意思の表れを示していると思う。
このスペインに比して、日本のその意思がいかに乏しいのか

過去に向き合おうとしない姿勢は、この際、ここで返上しなければならない。
無罪判決が望まれる。権力犯罪の全容を解明し、元被告の名誉回復こそが司法のとるべき道だ。




追記;東京新聞が社説でとりあげています(1日付)。 →横浜事件 今度こそ真実に光を(魚拓)

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