民主党政権もこの程度かと思わせる問題

2つの記事から、貧相な、子どもじみた民主党政権の対応を皮肉ってみたいと思います。皮肉るのは、いくらかの政権にたいする期待もあったからでもあるのですが、大枠は今現在、想定していた方向で政権は動いているような気がします。
その一つ。首相自身の偽装献金問題。金額の大きさにも表れていますが、報道されている一連の事態は、鳩山首相という一政治家の「政治とカネ」問題に対する理解、見方の水準を表現しています。首相という立場以前の、一政治家としての資質が問われる問題でもあると私は考えますが、首相の以下の発言にあらためて驚かされるわけですね。

大変驚いている、などというのはiいうまでもなく傍観者的であって、首相本人の関与がきわめて濃厚だとも推測されるような事態になっているのに、この発言なのですから。あえて、こう発言しているのでしょうが。資金の支出の際には決済を自らやってきたのに、知らない、驚いているとは何事か、こう率直に怒りがこみ上げてくるのを抑えるのはほとんど不可能です。事情をただちに説明せよ。こう鳩山さんに申し上げたい。


鳩山首相「大変驚いている」 偽装原資


鳩山由紀夫首相は25日夕、偽装献金問題で母親の資金が偽装原資に充てられていた疑いに関し「私の知らないところで何が行われていたのか。事実かどうかも含めて大変驚いている」と述べた。官邸で記者団に語った。

国会で親族の資金が偽装原資に充てられた可能性は「ないと信じている」と答弁してきたこととの整合性については「信じていたし、今でもそう信じたい」と強調。「どこに真実があるのか見えない。事実確認はできていない」として、引き続き捜査を見守る姿勢を見せた。

平野博文官房長官は記者会見で「一つのけじめがついた時点で国民に説明があるのでは」と述べ、捜査の結論が出た段階で首相が責任問題をめぐる見解を明らかにするとの見通しを示した。

一方、自民党谷垣禎一総裁は会見で「このままでは政治への信頼に大きな影響を与える。きちんと説明する必要がある」と指摘。公明党山口那津男代表も「事実なら首相の説明責任は尽くされていなかったことになる」と述べた。

2つ目。件の事業仕分け
第2弾の目玉であるかのような、メディアの宣伝でした。
思いやり予算を根本から見直すといってきたのですから、期待も高まった。
だが、だが、このていたらく。

米軍思いやり予算「見直し」 仕分け、削減幅には触れず


来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」は26日、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を取り上げた。全国一律の基地労働者の給与水準について、「地域ごとの賃金水準を考慮する必要がある」などとし、米国との特別協定改定交渉で考慮するよう「見直し」を求めた。

ただ、具体的な予算の削減幅は言及せず、普天間飛行場の移設問題を抱える沖縄県民や米国に一定の配慮を示した。鳩山由紀夫首相は同日朝、首相公邸で記者団に「予算を大幅に減らす議論は政治的な話になるから難しい」と述べた。

米軍基地で働く労働者は大半が日本人。司令部や部隊などに勤務する事務員のほか、食堂など福利厚生施設で働く人を含め約2万5千人。10年度までの特別協定で日本側が約2万3千人分を負担し、残りは米国負担で合意。給与水準は国家公務員の給与体系に準拠し、来年度予算で1233億円を要求している。

仕分け人は「沖縄県など基地労働者の基本給は地元の民間給与の水準より割高」と指摘したが、防衛省の担当者は「英語を話さないといけないし、米軍の意向を確認する必要がある」と理解を求めた。

この日の仕分けでは、経済産業省所管の商店街振興基金50億円の全額国庫返納を求めたほか、国土交通省の次世代自動車導入加速モデル事業(概算要求額2億円)など5事業を廃止。予算削減可能額は55億円だった。

思いやり予算の根幹に触れるような見直しを提言できたかといえば、まったくそうではない。あの枝野も、蓮舫も本領をここで発揮してほしいのに。仕分けの結末がこの内容では呆れてしまう。
しかも、基地労働者の賃金水準を他の労働者と比較させた上で、削減しようという魂胆にはほとんど醜悪という表現以外のものを私は探し出すことができません。分断は、まさに新自由主義の支配の手段でしたが、枝野や蓮舫、彼ら仕分けの先頭に立ってきた議員たちは、それを採ることをまったくいとわないということを私たちの眼前で明らかにしたわけです。

結局は、米国への思いやりという本質に少しも迫ることなく、労働者の分断させ、労働者へのしわ寄せを結果的に認めるという視点そのものに疑問を私はもちます。
2つの以上の事象は、民主党政権が第一コーナーを回ったくらいでしょうが、すでに力量が露呈しているのではと考えてみたくなる状況だといえるのではないでしょうか。