思いやりは不可侵っていう宣言だな。。


それみたことか。こういいたくなります。宣言ですよ、これは。米軍には手をつけないという。


思いやり予算の仕分け、根幹には触れず…民主・枝野氏

政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)の「事業仕分け」統括役を務める枝野幸男民主党政調会長は21日の読売テレビの番組で、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の一部を仕分け対象とすることについて、「思いやり予算全体が良いとか悪いとか、額の規模をどうするかは、外交交渉を含めて政治的に決めることだ」と述べ、制度の根幹には触れない考えを示した。

行政刷新会議は24日から27日まで、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の後半の作業を行う。思いやり予算のうち、米軍基地従業員の給与に充てる労務費が対象となっており、北沢防衛相が「対米関係も考慮してもう少し防衛省に任せてほしい」と反発している。

思いやり予算にも手をつけるなんていっておきながら。検討の対象は、日本人従業員の給与というのですから。それでいて、報道される際には、この調子。いかにも大本に切り込むかのような見出しだったのです。
事業仕分け447事業選定 行政刷新会議、思いやり予算も

問われているのは、枝野幸男のいう根幹のところ。結局、この事業仕分けでは、思いやり予算そのものについては是認するという結論を出したというに等しい発言です。
だいたい日米地位協定にすら、思いやり予算についてはふれていない。同協定24条第2項に明記しているもの以外は、すべて米軍が負担すべきものとうたっているのですから。思いやり予算は全廃して当然のものです。

日米地位協定第24条

  1. 日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は、2に規定するところにより日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担をかけないで合衆国が負担することが合意される。
  2. 日本国は、第二条及び第三条に定めるすべての施設及び区域並びに路線権(飛行場及び港における施設及び区域のように共同に使用される施設及び区域を含む)をこの協定の存続期間中合衆国に負担をかけないで提供し、かつ、相当の場合には、施設及び区域並びに路線権の所有者及び提供者に補償を行なうことが合意される。
  3. この協定に基づいて生ずる資金上の取引に適用すべき経理のため、日本国政府と合衆国政府との間に取極を行なうことが合意される。

枝野は「外交交渉を含めて政治的に決める」などといっていますが、そもそも交渉ごとではない。金丸信が勝手にはじめたのですから。支出すべき根拠などどこにもない代物です。米軍は日本を守るというよりも、犯罪を繰り返し、むしろ日本の安全を脅かしているのが実態ですから、何も「思いやる」必要などないのではないでしょうか。

枝野の今回の発言は、あらためて事業仕分けの欺瞞性を示すものにほかなりません。事業仕分けの視点は、採算や効率化が強調されています。ほんらい事業仕分けは小泉が考えてやってきたことなのですから、その点でも、構造改革路線を引き継ごうとするものであることがいよいよ鮮明になってきたといえるでしょう。まさに小泉構造改革とは、財界と米国の権益には一切、手をつけず擁護してきたように。
聖域には、入らないという宣言です。