まるで橋下人気投票みたいな・・・ 堺市長選。。

橋下支持の半数超、竹山氏に投票 朝日新聞社出口調査

堺市長選で朝日新聞社が行った出口調査で、橋下徹知事を支持する層の半数以上が、竹山氏に投票した実態が浮き彫りになった。
橋下知事の支持率は76%。その橋下支持層の56%が竹山氏に投じており、木原氏は25%にとどまっていた。
また、橋下知事が批判した、木原氏に対する民主と自公などの「相乗り」応援を、「好ましくない」と答えた人が52%おり、竹山氏はそのうちの57%から支持を受けた。
一方、木原氏を応援した民主、自民両党とも、自党の支持層を固められなかった。36%だった民主支持層のうち約6割、21%だった自民支持層の約4割が竹山氏に流れた。22%だった無党派層の半数近くも竹山氏に投じた。
年代別の支持をみると、20代を除くすべての年齢層で竹山氏が木原氏を上回った。
調査は堺市内の45投票所で行い、投票を終えた2476人から有効回答を得た。

政令市とはいっても、日本の一地方都市であるにちがいない地でのこの有権者の意識状況は、先頃の衆院選有権者の投票行動とかわらず、それを再現したものといえるのではないか。
橋下を民主党に置き換えるだけで、事態はまったく同じように映る。

しかし、少なくとも市長選だから、それぞれの政策があったはずで、その是非が問われないといけないのだけれど。この出口調査によるかぎり、有権者の関心はそこになかったということになる。衆院選では、政権交代は望むが、(有権者は)民主党の政策を支持したのではないということが指摘されてきた。
堺市長選で竹山氏が勝ったのは、橋下が応援したからであって、竹山氏の主張を支持したのではなかったということだろう、調査結果が暗に示すのは。つまり、衆院選政権交代を橋下に置き換え、民主党の政策を竹山に置換すれは、すぐにそのことは了解される。その限りで、橋下に「投票」したのだ。
いいたいのは、政権交代や橋下というものを有権者が認識するのは圧倒的にはメディアをとおして、しかも多くはテレビであって、世論の誘導の力を思い知るということだ。

郵政選挙で小泉が勝ち、今回衆院選民主党が勝ったのだが、何度もふれるように、この2つの選挙での自民・民主の得票率の総和はほとんど変わらないという事実がある。ようは、選挙ごとに議席の配分がかわっても、だ。かわったかのようにみえても、たとえば劇的な変化という表現がしっくりくるというようなものではない。
ただ、民主党の大勝は、自民党政治のもたらした有権者個々への痛みが相当の強度で実感されたという証でもあるだろう。
それは、もちろん小泉が勝った要因にはなかったはずのものだ。
2つの選挙で異なる決定的なところは、そこのところだろう。

橋下への強い共感は、小泉的な構造改革への期待も依然、有権者のなかにはあることを推測させるに足る。そうした一部にある構造改革への期待と同時に、実際に押しつけられた痛みにたいする強い反発も有権者はあわせもっている。
その痛みの真因が、実はこのかたの新自由主義的改革にあるという筋道が理解されると、どんな変化がもたらされるのか。劇的な変化の可能性があること自体を誰も否定することはできない。
その可能性をあらかじめ摘むために、メディアは依然、役割を果たしているのではないか。
マニフェストを時には反故にしろと迫ったり、ときには守れといったりして。
その上に今、揺り戻しがはじまっているということだ。