民主党の危うさ〜その1


首相、普天間移設は県外が基本 中小企業の支援検討表明

鳩山首相の視点では基地問題は解決しない、これが結論です。
県外移転といっても、結局は、たらい回しにすぎません。たしかに発言はSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意を念頭に置いたものではあるとは思いますが。SACOは、1996年に米軍基地の(沖縄)県内たらい回しを決めたものですからね。
たらい回しを解決するには、基地の無条件撤去という立場にしっかりとたたなければならない。そうしないと解決しないでしょう。
このSACOが鳩山氏の言葉をそっくりそのまま借りるとベースになって、現在の「米軍再編」合意に引き継がれてきたといえるのではないでしょうか。

あらためて米軍再編の問題点を列記すると、

 

  • 再編は、米(沖縄)海兵隊のグアム移転の条件として、名護市辺野古沖へ海兵隊新基地を建設することがセットされていること。移転と新基地建設は切り離せない条件されていること。

  • 途方もない税金投入計画であること。グアム移転にともなう日本側負担は全体で3兆円にのぼるというもの。


  • 沖縄県民の負担軽減というウソ八百。日米両国政府は海兵隊1万8千人のうち8千人を減らすと宣伝するものの、そもそも1万2千人が海兵隊の現勢。実際は2千人の削減で1万人は残すという内容でごまかし。

というものでした。

首相に突っ込みをいれるならば、SACOを白紙にするのかどうか、これが一番の問題であって、氏はこれをどう考えるのかということです。結局、本質的にはたらい回し路線の域を出ていないということです。
この辺りが早晩、大きな問題となってくる気配を私は感じています。換言すれば民主党の弱点といいうるでしょう。答えは簡単明瞭なのです。基地の無条件撤去という原則に立って、交渉しうるかどうかという……。そこが問題なのです。