鞘当てははじまったが。。


選挙近しという雰囲気は、こんな記事からも伝わってきます。
政権交代がいわれつづけているのですから、自民党民主党の動向に神経をとがらすのは当然なのかもしれません。

西松問題で民主を批判=細田自民幹事長

本来であれば、然り、こういわれて当然のはずのこの細田発言が少しも迫力がない。だいいち、氏がとりあげた西松建設違法献金問題で名前のあがっているのは自民党議員が民主党議員より多いのですから。
「恐るべき規正法違反。怪しげな団体がこっそり」巨額の献金をした、献金を受けてはならない団体が小沢一郎の関係団体であったことは確かなのですが、同様に、現閣僚・二階俊博をはじめ献金を受けた自民党議員は少なくありません。それも首相経験者もふくまれているのですから。
だから、以前に細田氏は、小沢氏が秘書の逮捕後、企業・団体献金を全面禁止したらいいといったときに、説教泥棒にたとえました。が、同じ穴のムジナといわれてもぐうの音も出ないでしょう。

こんな鞘当てもはじまっています(参照)。
民主党を財源問題で民主党に迫ろうというわけでしょうが、そもそも民主党が消費税増税に反対でないのは首相も知ってのことでしょうから、こんな切り口にもなる。
対する民主党は、岡田氏がきょう、こう応えました(参照)。


民主党の岡田幹事長は24日のNHK番組で、次期衆院選で政権を獲得した場合の消費税率の取り扱いについて「(衆院議員の)任期4年の間に引き上げることはない」と表明した。

また、「選挙で問わず、抜き打ち的にいきなり増税することはやらない」と述べ、増税は党の政権公約マニフェスト)に盛り込んで民意を問うことが前提になるとの考えを示した。

鳩山氏の発言に典型的なように、本来、消費税増税を政策としているのですから、政権交代のために、それを封印する態度はフェアーとはいえない。政権をとったら4年間はやらないとか。
同じ宣伝の仕方を、つまりモラトリアムでくくってしまうやり方を私たちはすでに異なる問題でみてきました。先に小沢一郎が企業・団体献金を全面禁止したらいいといいましたが、彼がそういったものの、同党が出した結論は3年後に実施するというものでしたね。国民の関心、批判が強い問題で、民主党はそれに応えるような形式をとりながら、結局、先延ばししてしまうという欺瞞的なそれです。

腐りきった自民党と、欺瞞的な民主党。本日の田原総一朗の番組で、民主党は秘書が逮捕されていることを与党側がちがいとして強調していましたが、ちがいといってもその程度のもの。
いっさい自浄能力を発揮しようとしない両党。この共通項のほうがむしろ重要だと私は思います。

さて、その小沢一郎ですが、かねてから取り沙汰されている熊谷組献金問題にからんで、以下のように伝えられています。

熊谷組献金:系列会社通じ500万円 「小沢氏側の要求」

準大手ゼネコン「熊谷組」のダミー献金問題で、民主党小沢一郎前代表の資金管理団体などが96〜00年、ダミーの政治団体以外に熊谷組子会社などの系列会社からも500万円の献金を受けていたことが毎日新聞の取材で分かった。熊谷組関係者によると、献金は小沢氏側からの要求で、同社が子会社などに指示していたという。西松建設の違法献金事件でも、小沢氏側に子会社などを使って献金させており、社名を隠して献金を分散させるゼネコン共通の手口が明らかになった。

わずかなちがいに目を向けるのか、それともほとんど重なるところを重視するのか。見る人によるのでしょうが、そもそも財界が推進してきた二大政党政治とは、(財界が)通信簿をつけてより高い点数の政党に肩入れするというものですから、それほど違ってはならないのです。
そうみると、選挙前のこうした鞘当てに惑わされてはならないということでしょう。