森田健作の詐称−日本の能天気


はじめて森田健作をとりあげることにします。
就任早々から、問題山積。彼にとっては、噴出する疑惑の数々を打ち消すこと、これが知事の仕事と勘違いしそうな雰囲気でもありますね。その上、毎度の会見でのコメントの水準に、正直なところ彼の政治家としての資質が露呈してしまっているのではないでしょうか。

「剣道2段」森田健作知事に免状なし…40年以上も“自称”
剣道二段詐称によって、森田健作に騙されたと心底思っている人は少ないでしょうが、この千葉県知事が少なくともこれを一つのウリにしてきたことは事実でしょうから。だとすると、詐称してきたことにたいする彼の見解が問われなければなりません。しかし、口にしたことは……。

範士」の先生から腕前を認められ、「わかった、二段許す」と言われた

ですって。よほどの正直者なのでしょうか。それとも、それとは真逆の人物のどちらかでしょう。
第一、剣道をやっている人なら、段位はつねに頭にあるでしょうし、形式的にはそれが(民間団体の)免状で表現されるのは、まあ誰でも知っていると私などを考えるのですが、彼の場合はそうではないらしい。
つまり、この程度のコメントで会見に臨む彼の政治家としての資質がそもそも問われているのでしょう。
剣道二段は階位がそれより下の、剣道をやっている人にとっては重要な通過点でしょうし、この千葉県知事は今回、詐称によってこれらの人も敵に回したということになります。

もっとも大事なことは、自らのルールが唯一のものだと考えている彼の心性にある。当選後、つぎつぎに明らかにされる事件の一つひとつにも、およそ一般的解釈とは異なる、彼の解釈が披露されます。しかも、それは、聞く耳に耐えないような程度のものにすぎません。
日本の能天気。最近も鴻池某の一件や、当ブログで取り上げた民主党代表選の一部始終を放映するNHKがそれを鮮やかに表しています。そのなかに彼を付け加えて、あるいは置いてよいのかもしれません。
少なくとも私には、森田健作がたとえば知事、自治体首長たるものがどんな形式で選ばれ、どんな役割があるのか、理解しているとは到底思えないのです。

選んでしまった千葉県民の心情は察するに余りあります。が、あえて気が早い話をすればリコールという対抗手段も保障されているのですからね。就任まもないにもかかわらず、重たい問題から今回のような「軽い」問題までことかかない彼にまつわる話は、すでにその十分条件を示している気がします。