小沢会見− 何が動いたか。。


この会見まで、小沢氏は西松違法献金問題について一言も語らずに至っています。会見でも、核心部分についてふれずじまい。
結局、語ったのは代表を続けるということだけでした。

秘書の起訴事実につまるところ何の反論もできなかったわけです。法外という比ゆが少しもおかしくはない、小沢氏関連団体への献金に、小沢氏はこれまで相手が何たるか詮索しないものだとうぞぶいてきました。しかし、これほど国民を愚弄するものはある意味でありません。
贈与を受ける側とする側の関係は、一般的にいって互いにその素性を知らないという関係であっては成り立たない。相互に、その素性を知っていてはじめて成り立ちうると考えるのが通常でしょう。この点で、小沢氏の対応は、限りなく不可解なものでした。

だから、小沢氏が事件発覚以後、突然、企業献金の全面禁止を口にしたという事実がいかにも口先だけの、嘘っぽいものにみえるのは、まったく当然だといえるでしょう。会見で、小沢氏がこれまでの自らの行状に一言もふれず、それだけでなく、自らは今後、企業からの献金は一切受け取らないと、約束することすらできなかったことをしっかり記憶しておくべきです。

小沢氏は本心から企業献金の全面禁止など考えていない、こう私は思います。
小沢氏は、企業献金をどう考えるのか、国民は、これを彼につきつけなければなりません。企業献金全面廃止が法制化されるか否かとは別に、小沢氏に問われているのは、自ら企業献金を一切受け取らないと約束しうるかどうか、ということでしょう。

小沢氏は疑惑を払拭しなければなりません。二階氏をはじめ、自民党議員とはちがうのか、ちがわないのか、それが問われています。
西松建設の違法献金疑惑にからんで、企業献金にどんな態度をとるのか、それが問われています。
その地点に立てば、少なくとも小沢氏は今後一切、企業献金を受け取らないと国民に約束するところから、事件の解明ははじまるのかもしれません。
これまでの報道によるかぎり、小沢氏は、企業献金であることを知りながら、それを形式的にひた隠そうとした意図があったことが大いに疑われているわけですから。

検察側が小沢公設第一秘書を起訴したという24日の時点では、疑惑の全容は国民の前に明らかになってはいません。ですから、自民党も、民主党も同じように金権体質であると受け止められても、いたしかたありません。

すでに自民党の笹川議員が語ったと伝えられているように、企業献金が禁止される動きが強調されると、次にでていくるのは、それを国家的に補う政党助成金の運用拡大です。しかし、この繰り返しは、要は、国民の政治への主体的関与をいっそう遠ざけるように働くものではないでしょうか。
政治に関与しようとする国民の主体的な意思は、たとえば政党への募金にも示されるものでしょう。自らが政治にかかわろうとするとき、その意思の一端は応援する政党に対する募金に表れるでしょう。だからこそ、政党助成金の不合理が問題にされなければならないのですが。だって、指示もしていない政党に自分の税金が、少なくともいくらかは配分されるしかけになっているのですから。

重ねていえば、疑惑の全容を明らかにすべき立場にあるのは小沢氏でしょう。
政権交代をあれだけ叫ぶのですから、この問題でこそ、自民党とのちがいをはっきりさせる必要があるのでしょうから。

とくにこの違法献金事件捜査をめぐって、泪目が一部で話題になっているようです。しかし、とどのつまり、泪目なのは小沢氏であることも我われには会見をとおしてはっきりしてきましたね。