小沢一郎という保守政治家


こうした(政治と)金にまつわる話題にことかかない一人が小沢一郎だ。
小沢氏側団体捜査へ 西松建設献金巡り規正法違反の疑い

国内外で多額の裏金を作っていたとされる準大手ゼネコン「西松建設」(東京)側の政治献金に絡み、東京地検特捜部は3日までに、政治資金規正法違反の疑いがあるとみて、小沢一郎民主党代表側の政治団体を捜査する方針を固めた模様だ。

小沢代表側の複数の政治団体は、西松建設のOBが代表を務めていた二つの政治団体から多額の献金を受け取っている。小沢代表側の政治団体関係者が、西松建設の資金と承知して受け取っていた疑いなどがあるという。政治資金規正法は、他人名義での献金や政党側以外への企業献金を禁止している。政治家側の政治団体関係者が、OBの団体を経由した西松建設の資金と認識していれば、政治資金収支報告書の虚偽記載などで同法違反となる可能性がある。

西松建設のOBが代表を務めていた政治団体は、「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)と「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)。特捜部はこれまで、二つの政治団体の関係先を捜索し、団体関係者などから事情聴取していた。


あるいは、つぎの記事。

小沢代表の資金管理団体を捜索  政治資金規正法違反容疑で

ひとまず振り返ってみよう。07年には事務所費問題が浮上した。その際、政府・与党側から「総額十億円余の不動産を個人名義にしている政治家はほかにいない」(安倍首相)などと、資金管理団体による不動産取得問題で揺さぶられたのは記憶に新しい。だから、民主党は、「カネと政治」で自民党と論戦することはもはやできない。一歩踏み込むと、たちまち同党にも白羽の矢がふりかかってくる。この2つの政党間には、ことカネと政治というカテゴリーを問題にすると、その区別はほとんどつけようがない。
「総額十億円余…」というのは、小沢の資金管理団体が10億円を超す不動産を保有し、その名義が小沢本人である事実を指している。小沢名義であっても管理団体の所有物なので問題ないという小沢側の説明だが、名義者である小沢とは、資金管理団体代表としないままで、事務所費問題はいまのところ決着したかのようにみえる。しかし、疑惑は解消されないのに変わりはない。

西松建設の政治献金がメディアに登場して久しいが、これまで音沙汰はなかった。それが、いまの時期にあらためて報道されはじめたのは、何らかの政治的な意図が働いていると考えても不思議はないだろう。
事態は進展し、上記記事が伝えるとおり、秘書の逮捕にまで及んでいる。
別の報道では、適正に処理されており、問題ないという小沢側のコメントが伝えられているものの、その言葉とは裏腹に小沢の身辺に司直の手が入ったということなのだから、当事者にとっては安閑としてはいられない状況に小沢があることは疑いを入れない。

カネと政治の問題が公にされるとき、しばしば小沢の名前があがるのは、政治というものがすなわち税金の分配とそのとり方に深くかかわっているにもかかわらず、それにたいしする頓着がなく、したがってそこにゆがみをかける外からの圧力に小沢がまったく無頓着であることを示している。
それは、ある意味で従来の保守政治家、つまり自民党議員に通底するものを小沢が引き継いでいることを意味していると思う。

すなわち小沢が根っからの保守政治家であるにもかかわらず、それを党首として崇めなけばならないところに、非自民を強調する一方で、その枠組みから抜け出しえない宿命を引きずっているところに、民主党あるいは小沢の限界を正直、私は感じる。

つまり、はっきりしているのは、この報道は大きく小沢民主党を揺さぶるだろうということだ。