医療費拡大へ転換したイギリスの経験から


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総選挙は何を問うのか− イギリスの経験から

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いつでも、誰でも、どこでも必要な医療を受けることができる、これを理想形とすれば、戦後、日本は国民皆保険制度といわれる枠組みをつくって、これに近づこうとしたといえるでしょう。1961年には、何らかの公的保険に国民すべてが加入することになったのです。

その国民皆保険という枠組みも、改悪がつづいて、事実上、誰もをカバーするという制度はしだいに機能しなくなっていきました。80年代の構造改革の名で、社会保障制度は国民にとって徐々に後退させられたといえます。無料だったものが、自己負担1割になり、2割になり、3割になるという具合に。こうなると、経済的に弱い立場にある人は、しだいに医療から遠ざかる。すると、医療費は増高する。こういった悪循環に陥ることになる。たとえば、国民健康保険料が年間50万円近くになる世帯も少なくない今日になったのです。