年金天引きの日−新しい医療制度はうまくいくか。


本日は、新医療制度の保険料年金天引きの日。
後期高齢者医療制度、いや長寿医療制度で、その保険料が年金から天引きされる、新しいシステムが動き出す。
とはいえ、この新しい医療制度は、最初から躓いている。
保険証が届かないという苦情の多さ。事実上、無保険者をつくっているのだ。制度的に無保険状態をつくるということに、政府はまったく反省がない。

たしかに首相は謝ったのだろうが、混乱は、ただ説明不足があったからだけではない。
そもそも制度設計のあり方が問われないといけないだろう。
だれもが思うように、医療費の高い人だけをいとつの枠組みに収め、成り立たせようとしても土台無理な話。
それより重要なのは、閉じ込めておいて、給付内容を他の制度とは別のものにしようという魂胆なのだから、これは差別というほかないだろう。

繰り返すと、明日は保険料の天引き徴収がはじまる日。
制度がどうも我われを守ってくれそうもない代物とうすうす知られるようになった今、今度は、多くもない年金からこんな制度の保険料が徴収するハメになった高齢者は、はたして黙っているのだろうか。

私は、なりゆきによっては、この制度の中止という可能性がまったくないとはいえないと思って、エントリーを公開した(参照)。

理不尽な負担を迫ったり、給付内容で他の制度と差をつけられることには敏感でなくてはならないだろう。自分がそんな憂き目にあった場合ということではなく、一部に理不尽な負担、差別的な扱いを強いるシステムにたいしては、「本能的に」これを強く批判する態度をもちたいものだ。

それにしても首相の発言は、まったく受身ではないか。

きょうの大混乱という事態はその意味で想定されたことではあった。




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