マルセル・マルソーのこと


マルセル・マルソー氏が亡くなった(2007年9月22日)。

神が本来、対称の世界、普遍的世界を創造する存在であるとすれば、現実は、まるでそれに逆らっているかのようである。つまり、現実は対称性を突き抜けないと、ありえないということなのだろう。現実は非対称なのであって、だから、むしろ神は、非対称の世界をつくろうとしてきたともいえるかもしれない。
マルセル・マルソー。パントマイムの神様といわれた。この神様は、現実と普遍的世界という統一しがたい2つを、自らの演じるパントマイムでそれを可能にしようと表現した。彼の演技において異なる2つの世界が溶け合ったともいえるのかもしれない。
パントマイムは彼によって世界的に一般化・大衆化した。
「ビップ」という名の白塗りで花を付けた帽子をかぶったキャラクターの彼。分かりやすい彼のマイムは、全世界を覆い人気を博した。

この神様は、そしてレジスタンスにも加わっている。