安倍辞任の引き金は何?


安倍晋三氏の弁明記者会見を観た。
顔色蒼白、滑舌も悪い。辞任表明に至った理由は自らの体調ということだ。
話を総合すると、やはりテロ特措法の行方が同氏の精神に悪さをした最も大きな要因だと受け取れた。
首相辞任表明について脱税疑惑などなど取りざたされているが、どれもそのようであり、どれもまた、「それが原因か」と詰め寄られると、とてもそうだとつっぱねられるものでもなく、そうではないようにも思える。

ずっと考えていたのは日米の関係が背景にあるのはないかということ。辞任表明直前の安倍・ブッシュ会談が契機ではないかという疑念を抑えることが私はできないでいる。来年で任期を終えるブッシュの思いが、後世に名声を残すという意味で米朝関係回復にあるとすれば、北朝鮮とのかかわりで安倍・ブッシュの間でやりとりがあったはず。要は、米朝国交樹立優先、拉致問題は後景に押しやられたと推測するのだが。安倍の「ライフワーク」でもあった拉致問題の近い将来での解決は遠のいた。

こんな文脈でみた場合、ライスのつぎの発言も違和感なく読み取れる。

町村外相は22日夕(日本時間23日朝)、ニューヨーク市内のホテルでライス米国務長官と会談した。町村氏は「新政権でも、核問題とともに拉致問題を含む日朝関係を進展させる立場に変更はない。北朝鮮テロ支援国家指定の解除の問題も含めて協力を得たい」と米側に求めた。

 ライス長官は「北朝鮮との関係のために日本との関係を犠牲にすることはない」と述べ、指定解除にあたっては、拉致問題の進展を考慮する考えを示した。ライス長官は4月末の日米首脳会談の際には「拉致問題解決は解除の条件ではない」と述べていた。
日本との関係「犠牲にせぬ」 北朝鮮巡りライス長官朝日新聞電子版9・24)

米国の圧力に安倍は耐え切れず、精神的憔悴に追い込まれたと考えるのは無理か。