[メモ]「政策でも政局でも勝つ」;菅直人民主党代表代行

「政策でも政局でも勝つ」 −『ねじれ国会を聞く』(5)   

― 党代表を務めていた1998年の金融国会では参院過半数を割った与党に野党案を丸のみさせることに成功しました。
「政府は破綻金融機関の融資業務などを公的な受け皿銀行が引き受けるブリッジバンク法案を提出したが、自民の実務担当者も『破綻した金融機関を一時国有化する野党案の方が本格的でよい』と認めていた」
「当時の小渕恵三首相は『政府案が廃案になると政権担当能力が問われる』となかなか踏み切れなかった。我々が『野党案に賛成しても政争の具にしない』と明言したため受け入れた」

― だが、「政争の具にしない」と言ったことで、野党共闘にひびが入りました。
「自民は野党と修正協議をしながら、水面下では公明と連立に向けた動きを始めていた。野党の一部を引き抜くという自民のしたたかな手法に敗れ、政権交代につなげられなかった。今度は政策的にも政局的にも勝たなくてはいけない」

― 野党共闘は盤石ですか。
参院で議長と議院運営委員長を取り、野党が安定的な過半数を握っている。社民や国民新、新党日本との連携もしっかりしており、共産とも個別に意思疎通を図っていく。自民が水面下で一部の野党議員を取り込もうとする動きがあるかもしれないが、与野党議席の差はかなり大きく、98年のようなことにはならないだろう」

― 安倍晋三首相は11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長への協力を求めています。
「自分の土俵に乗ってくれという話には応じられない。我々には今の政府ではない政府をつくるべきだという基本方針がある。対立軸は大事にしていかないといけない。野党を引き込んで争点をぼかそうとする手練手管には乗らない。自民の謀略にだまされない」

日経新聞8・15) 全文


ようは、民主党自身の諸潮流の統一ができるかどうかだろう。菅氏の視野は、国会内の共闘のあり方、自民党からの引き抜きに集中しているが、むしろ連合とかかわる参院同党議員の動きがどうか。それを牽制する同党右派が動くか、によるのかもしれない。