内田樹氏の格差観(2)

人々が人間の価値について、それぞれ自分なりの度量衡をもち、それにもとづいて他者を評価し、自己を律するならば、「格差社会」などというものは存在しなくなるだろう。
ジニ係数って何

一般論でいえば、モノを測るのに、質を問うことはない。金属と紙は異質のものだが、重量という一つのスケールでその量的なちがいを私たちは知る。

氏の「自分なりの度量衡を持つ」というのは、どうか。
格差というものが仮に測定可能なものだとして、それぞれの異なるスケールをもてというのは論理的に成り立たない。測るのであれば、何か共通のスケールがいる。
自分なりの度量衡を持つとは自己完結を求めているわけだから、もともと格差社会など論じること自体が無意味で論外となるわけだ。
氏にいわせれば、だから格差なんて幻想だということになる。