帰化せよと迫る議論

野田財務副大臣「選挙権ほしいなら帰化すればいい」


野田佳彦財務副大臣が30日、愛知県豊田市であった民主党支部の会合で、鳩山政権が提案する方針の永住外国人に地方選挙権を付与する法案について、「選挙権がほしいのだったら、帰化すればいい」と発言した。
同党愛知県第11区総支部の総会後、支部長の古本伸一郎財務政務官との公開の時局討論会で述べた。野田氏は「世論調査をやると、6割の人は外国人に地方選挙権を認めてもいいと言うが、それに対する厳しいリアクションもある。党内でも(賛否は)半々だ」としたうえで、自らの立場については、「明確に反対だ。外国人が、帰化の手続きを簡略にできるようにすればいい」と話した。
政府と民主党は今月11日の首脳会議で、法案を今国会に政府案として提出することで合意。しかし、連立を組む国民新党亀井静香代表が一貫して反対しているほか、民主党内にも根強い慎重論があり、鳩山由紀夫首相は27日、「簡単な話ではない」と、法案提出の見送りもあり得るとの考えを示していた。
野田氏は「いま、法案を出して、党内をばらばらにする必要はない。政府提案であっても、議員提案であっても、出すべきではない」と述べた。

言葉から推測されるように、選挙権を与えるかどうか、野田氏の議論はここからはじまっています。
永住する外国人への地方参政権の付与問題は、措置は憲法上禁止されているものでなく、国の立法政策の問題だという判断を示した1995年最高裁判決がきっかけになって、以来、法制化をめぐる動向が目立ってきました。地方政治は住民自身の意思によってすすめるという観点からすれば、現に地方自治法のように、すべての住民の要求にこたえるには地方参政権を付与してしかるべき。たんに選挙権だけでなく、被選挙権もふくめて、住民投票権、直接請求権いずれも認めなくてはならない。

民主党公明党と共同で国会に法案を提案したことがあります。それは選挙権だけのものでしたが、野田氏の議論はそこにも及んでいない議論です。さらに本人の意思とはかかわりなく帰化せよと迫る態度を認めるわけにはいきません。