医師の手は神の手?


聖路加国際病院院長の福井次矢氏が、患者と医師の関係について語っている。

医者の仕事に対する理解不足が背景にあると思います。医療は無尽蔵に提供できるものではないということを、多くの人に認識してほしいのです。


日本では医者に応召義務がありますから、診察を要求する患者には医者は応えなければいけない。例えば救急外来に来る必要のない人がどんどん来る。それでもそういう人を断ったら大騒ぎになるし、反対にそれぞれに対応していたら本当に救急医療の必要な人を診られない。どちらにもいい顔をするのは現実には無理なんです。
患者は“神様”? 悲鳴を上げる勤務医(NBオンライン)

現実の患者と医師の関係においては、患者は、これまでの日本社会のなかで培われてきた医療のイメージから抜け出せないでいる。医師をしばしば神様のように思い込み、医療は万能だと考える。医師の手は神の手なのか…。医師をとりまく労働環境がなおいっそう患者の医療にたいするイメージをゆがめているといえる。
氏がいうように、患者側にも意識改革が要る。それなしには、噴出している日本の医療の諸問題は解決しない。
医療は医師だけで成り立つのではない。患者がいて、患者と医師の双方向の関係があってはじめて成り立つ。