連立の果て


小沢一郎が繰り返していましたので、その意味では驚くに値しません。
結局、今の連立の相手、社民も国民新党も袖にされるという運命ということです。

民主「参院選で単独過半数目標」 10年度方針案が判明

来年1月の民主党大会で採択される2010年度活動方針案が明らかになった。「国民が政権交代の果実を実感できる年にする」と宣言し、来夏の参院選で「単独過半数を目指す」と明記。「衆参両院での民主党過半数を足場にして、民主党中心の政権が提出するマニフェスト関連の法案等を確実に成立させる道筋を作る」としている。
連立政権の不安定さを克服する姿勢を明確にする一方、与党の社民、国民新両党との関係については来年1月からの通常国会での「連携」を記した程度。参院選後の連立政権維持には言及していない。
通常国会では「今年度2次補正予算案の早期成立と来年度予算案の年度内成立」を目指し、国会改革関連法案については「政治主導を実現するため、与野党間の協議を促進し、成立に向けて全力を尽くす」としている。
参院選対策では、改選数2以上の選挙区における候補者の「複数擁立」を含め「早期に全選挙区の選挙体制の確立を進める」と同時に、現職議員がいない衆院選挙区での人材発掘も進めるとしている。

単独過半数をめざすというのは、民主党が日本国において二大政党を定着させるための政党として生まれでたとき以来の目標です。すでに社民党は2010年からの運動方針案で、連立政権強化をうたっていましたが、民主党社民党を重視しなければらない連携の相手などとは考えていないのですから、社民党の片思いといえるでしょうか。社民党は、連立を第一義的に重視するのではなく、そもそもの自党の理念、主張をねじまげること自体を問わなければならないと私は思います。こう書いている今、鳩山首相がグアムへの完全移転は不可能などといいはじめていますし、社民党の運命もほぼ読めるような気がしてなりません。政権誕生後の100日間は、政権の期待する有権者を減らし、失望する有権者を増やしてきました。この傾向はいっそう加速されるでしょう。なぜなら、先送りにしてきた課題について一つひとつ態度決定が迫られるのですから。期待に応えられる意思決定が民主党にできるのなら、すでに明らかにしているでしょうし、おそらく、それらの課題は結局、有権者の期待を裏切る結果になるだろうと予測します。

民主党の使命と先にのべました。使命とは、自民党がやれなかった仕事を政権を交代して民主党が引き受けるということです。その使命は、たとえば来年度予算案に明確なように、米国や財界にたいしては、自民党と同様に甘いものとなりました。有権者の関心は、事業仕分けという形式の上で予算形成の過程における手法の新らしさが取りざたされた結果、そこ手法のある種の潔さに集中しました。けれども、仕分けを経由してできあがった予算案は、従前とかわらぬ性格をもっています。国家財政の内容とそれを支える財源をどこに求めるかという点で、米国優先、財界優先は自民党政権と連続したものでしした。ようは、米国と財界は聖域とされたのです。結果、財源は、国債という借金と埋蔵金というわけです。この延長線上には、消費税増税という「切り札」が今後、準備されていることは容易に推測されることです。

民主党の使命は、消費税増税だけでなく、憲法の改定もその一つだろうと思います。
小沢の国会改革で、その環になっているのが官僚答弁の禁止です。一般的に官僚答弁の禁止という意味でなく、小沢が官僚答弁の禁止をいうとき、それは明確に内閣法制局長官のこれまでの答弁に狙いを定めたものだといってよいでしょう。
自衛隊の海外派兵について、小沢はISAFなどをもちだしこれを肯定しようと努めてきたのは周知のとろこです。解釈によってこれを可能にするためには、これまでの内閣法制局長官の答弁が邪魔になる。それでときの内閣の意思によってこれを認めていこうという魂胆です。

参院選での単独過半数の政治的意味は、当面、改憲と消費税増税を可能にするための基盤づくりということでしょう。小沢はすでに、参院単独過半数でも連立を維持するなどといってきましたが、外形的にそうであっても自党の方針でそんな位置づけをしていないというのですから、プラグマティックなその態度に驚かされますね。そういえば、渡部恒三が党内潮流間のあてこすりとはいえこうのべていることも少しは頭に入れておいてよいのかもしれません。

小沢一郎幹事長の方が力がある。130人は兵隊みたいに何でもついていく。大政翼賛会

民主党内の体制ではなく、これが民主党単独過半数によって国会の翼賛体制ができる条件、第一階梯が整うということです。

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