政権をつぶやく


民主党の迷走ぶりは、新政権になって突然、表出しているものでもなんでもありません。大げさにいえば、ほとんどの問題で右にぶれ、左に揺れてきた。こう実感できるのです。
あいかわらず、右往左往する同党です。しかし、直接、日本と米国との関係を表現する問題である普天間基地移設問題では、あいかわらず首相の右顧左眄が目立つ。二枚舌もひどかった。一方で、党の事実上のトップである小沢一郎は600人からなる訪中団を率いて、胡錦涛国家主席と会見、成果を誇っています。実のあるものは何もないような訪中のように思えるのですが、結果、国家副主席の訪日、天皇陛下との会見に結びつくらしい。これまでの慣行があるらしく、今回はそれを破った、いわば特例的な措置といわれています。
この構図からも推測できるように、強権的な対応をとおすところもまた、同党と同政権の特徴といえるかもしれません。周りからは、優柔不断ともみえる蛇行ぶりとは、まったく対照的な強権的姿勢。これは実は一体のものといえるかもしれません。

さまざまな潮流が内在する民主党は寄り合い所帯としばしば強調されますが、むしろ、そうであっても、強権が一気に働く点が私には重要に思えます。ですから、通常国会で同党が成立させようとしている国会改革法についても、小沢が主導すれば何もなかったかのように、冒頭強行採決も辞さないという態度が決まる。

こうした、ぶれや強権ぶりが目立つ民主党政権で、衝くべきところは数多という感じなのですが、野党の自民党にはそれを追及する力ももはや蓄えられていないのでは。発言は力なく、ぶつぶつつぶやく程度のものだと映ってしまいます。ネット上でも民主党政権が話題になっています。
直接には、私は極東ブログをみて、こうした議論があることを知りました(参照)。それによれば、「マッカーサー将軍は「日本はまだ12歳の少年だ」といった言葉が思い出される。……将軍からすれば12歳の知能に足りないほど清廉潔白なのは、普天間飛行場硫黄島へ行けと主張する社会民主党ばかりでもない。東大法学部在学中社青同構造改革派の活動家だった仙石由人行政改革担当相も、早稲田大学政経学部在学中同じく社青同解放派であった赤松広隆農林水産相も、連合国軍総司令部(GHQ)が吹き込んだ美しい夢を信じ続けているのかもしれない」。Finalvent氏がどこから、こんな情報を得たのかは知りません。が、あの池田信夫がつぶやいていました。

きょう届いた文藝春秋によると、仙谷由人氏は学生時代、社青同構造改革派(フロント)で、行政刷新会議の加藤事務局長は共産同(ブント)戦旗派、赤松農水省社青同解放派とのこと。すごい内閣だな・・・

セクトで判断するなど、池田氏は存外、政治オンチなのかもしれません。青年の客気は当時の青年たちの多くが経験したもの。一人あげれば、猪瀬直樹だって信州大で全共闘議長だったのですから。今さらこんな情報が飛び交うのは、先の自民党と同じ水準で、そこに池田先生もからむ。笑ってしまいます。
仙石や赤松がどんな潮流を経由したとしても、「転身」(とはいえないのかもしれません)して、現民主党に籍を置いていることがよほど重要でしょう。問題は、深緑の仙石、赤の加藤、青の赤松、一時的にしろヘルメットをかぶっていたであろう彼らが、今は、保守政党たる民主党に在籍していることでしょう。その彼らが、たとえば国会改革法に賛成する(でしょうが、その)事象を問わなければならない。