こんな形で地位協定を思い知る屈辱

まず琉球新報の記事から。

読谷男性ひき逃げ 米兵が事故車運転 県警、聴取要求へ
7日に読谷村楚辺の道路脇の雑木林で、ひき逃げされた男性(66)=同村=の遺体が発見された自動車運転過失致死、道交法違反(ひき逃げ)事件で、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐が10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人の20代男性が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。実際にひき逃げをしたかについては捜査中とし、氏名も公表しなかった。県警によると、同日午前に米陸軍の捜査機関から「限られた範囲で上司の監視下に置き、通常作業をさせている」との連絡があり、米側が男性をトリイ通信施設内で禁足下に置いていることを明らかにした。
嘉手納署は11日以降、男性から任意で事情聴取をすることを米軍側へ求めていく方針。

聴取を要求というところから、まず引っかかりますね。日本国内での事件なのに、聴取するのにも米軍にお伺いをたてるという事実。
ここにこそ、日本国と米国、米軍との関係のありようを示す現実があります。地位協定というやつです。日本での米軍の治外法権を法的に是認している。したがって、たとえば犯人は米軍兵士だと分かっていても日本国は手を勝手には出せない。こうして、これまで米兵の犯罪が見逃されてきたのです。

石破茂は、もちろんこのような現実を知っていながら、ぬけぬけといっていますね。

米兵ひき逃げ「地位協定改定には結びつかない」 自民・石破政調会長
自民党石破茂政調会長は11日午前の記者会見で、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件に関連し社民党日米地位協定の見直しを求めていることに対し、「ストレートに地位協定の改定に結びつくものではない」と指摘した。そのうえで「(協定論議は)かえって困難な立場にある方々の救済を遅らせるのではないか」と述べた。

石破の発言とは逆に、地位協定がなかったら、事実解明が格段にすすんでいたであろうことは誰の目にも明らかではないでしょうか。地位協定の存在は、日本国にとって何らの役割も果たしておらず、むしろ米兵の度重なる犯罪を誘引しているようにさえ、私には思える。日本、沖縄では米兵が日本国によって直接逮捕されることなど、ないのですから。俺たちには(日本の)法律などクソ食らえだ、といわんばかりの米兵の姿が浮かぶのです。
上にあげた琉球新報の記事の時点から過去にさかのぼって記事を列記してみます。どうですか、米軍の対応に、その端々に、日本の法律の埒外にある米軍の横柄さが、語られる言葉とかけ離れて感じ取ることができるのではありませんか。

那覇市長 「米兵身柄引き渡しを」 外務副大臣に
那覇市翁長雄志(おなが・たけし)市長らは11日午前、外務省で武正公一外務副大臣に対し、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件について、「犯人の身柄引き渡しを政府から強く要請してほしい」と述べ、容疑者の起訴前引き渡しを米軍に要求するよう申し入れた。

読谷村のひき逃げ:トリイ司令官、所属軍人の車両運転認める
同村で7日に発生したYナンバー車によるとみられるひき逃げ事件について、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐は10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。同基地は軍人の身柄を容疑者として拘束している。ただ、実際にひき逃げした事実については捜査中として、氏名を公表しなかった。

ひき逃げ:雑木林に男性遺体 米軍関係者関与か 沖縄
沖縄県読谷村楚辺(よみたんそんそべ)の雑木林で7日、頭から血を流した男性の遺体が見つかった。県警嘉手納署は現場の状況などからひき逃げ事件とみて捜査。近くの修理工場に同日、米軍関係者の所有を示す「Y」ナンバーで、フロントガラスが割れた車を外国人が持ち込んだことが分かった。県警は関連があるとみて、この車を押収し、米軍に捜査協力を要請している。

Yナンバーなど、日本には要りません。これ以上、米軍の犯罪の犠牲に甘んじろなど、どうしていえましょうか。