証券税制で優遇は必要ないだろう。。


「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しました。
財源論− 証券税制を見直すべきでは。


早晩、財源の問題に火がつきそうな勢いですね。昨日は、麻生政権の経済危機対策にふれ、09年補正予算基金の問題を扱いました。「毎日」は本日、この問題を3面で取り上げています。
このまま、推移すると、すでに執行分もあって、民主党が選挙前に打ち出した政策の財政的な手当てがおぼつかなくなるという一面もでてくるのです。
そして、民主党内には4年間は「封印」と公言している消費税について、すでに増税をもちだしている人もいるようですから。
当ブログの主張は、消費税という選択肢しかないのか、財源を考える際に、予めふれない部分を横においていては議論が歪むということです。消費税増税をスムースにおこなうために、たとえば社会保障の充実のために使うといってみたり、あるいは食料品には課税しないで増税するという主張もある。
しかし、そもそも消費税の増税以外に財源確保の道はないのか、これを問い返してみる必要があります。消費税増税の片方で法人税は減税され続けてきましたし、これは元に戻せるかどうかもふくめて検討の余地はあるでしょう(参照)。

証券税制をここではみてみたいと思います。日本では、株や配当金所得に課税される場合も、株式売買でもうけた利益に課税される場合も同じ20%。しかし、これが10%に軽減されています。

国際的には、以下のとおり*1


いずれも日本より高い税率になっています。配当や株式譲渡は、一般には金持ちのやることでしょうから、この点で、日本の金持ち優遇が際立っているといえるでしょう。たとえば、100億円を超える莫大な利益を得たものは、一人あたり約35億円も減税の恩恵を受けるとされています。こんな世界に縁のない私には、まさに想像もつかない世界。しかし、35億円が減税を一挙にされるというのは、私たちの生涯収入がせいぜい数億円とかでしょうから、途方もない金額の減税ということは推測がつくわけです。

小泉政権時代に実施されたこの減税は、2003年度から07年度までで累計4兆300億円にのぼっているのです。こうした大金持ちへの優遇をあらため、もともとの20%に戻せば財源を捻出できるではありませんか。

ただし、民主党は「証券税制については、現行の優遇税制を延長する」(昨年の税制抜本改革アクションプログラム)と明言しています。
同党は4年間の「封印」はいっているものの、消費税増税を考えているわけですから、そうではなく、証券優遇税制の廃止と税率20%に戻せと強く要求しなければならないと私は思います。消費税増税しか方法がないのではけっしてありません。
(「世相を拾う」09180)

*1:a.配当課税、b.株式譲渡益課税、『NO 消費税』(消費税をなくす会)