介護の現場を敵にまわす厚労省。


署名は一人の介護職員のつぎの声から始まったという。

「今の給料のままでは子どもを養うことができません。家のローンも払うことができません。介護職員の給与を保障してもらえるように署名活動をすることはできないでしょうか」―。

厚労省の調べでは、現在介護福祉分野で働く人は328万人。高齢者分野197万人、老健施設19万886人が働いている。介護職員の月額平均給与は20.8万円などで、全産業の33万円に比べて低くなっている。福祉施設職員に決まって支給する現金給与の年額の推移を見ると、02年の232万2,000円をピークに減少、05年には211万3,000円に落ち込んだ。老健離職率は22.7%と、全産業の17.5%に比べて高く、介護現場職員の厳しい労働実態がうかがえる。
介護職の「普通の生活を」 160万人が署名

介護職員にたいする厚労省の厳しい姿勢はつぎの答弁にも端的に示されている*1

ヘルパーが介護福祉士の資格を取る際の要件の一つについてだが、講習時間は600時間が必要だと。

上のような介護職員の生活実態。
だれが講習600時間を受ける余裕があるのか。受講するためにはもちろん時間も、金も要るのに。
記事にある年収が彼らの手にするものだとすれば、彼らにその余裕はないといえる。
労働が過酷なのに「薄給」という介護の現場から職員が去っていくといわれている。ワーキングプアともいえる。

厚労省は、将来的に現場のヘルパーの資格をなくし、介護福祉士に統一する方向らしいが、これは、まさに門前で道を閉ざすようなものだ。
どこまでも財源問題をちらつかせ弱い部分の差別化に終始する厚労省
現場の混乱が目に浮かぶようだ。

*1:改正介護福祉士法をテーマに全国老人保健施設協会(川合秀治会長)が3月18日に開いたシンポジウムで、厚生労働省社会・援護局の高木有生課長補佐は、ホームヘルパーの有資格者が2013年1月以降に介護福祉士を受験する場合、3年以上の実務経験に加えて600時間の講習が必要であることを解説した。介護職員基礎研修の修了者の位置付けについては「教育内容の水準に配慮するよう(改正介護福祉士法の)付帯決議があるので今後検討していく」と述べたが、ヘルパーにはあくまで600時間が必要とした。会場からは「現場のホームヘルパーはどうすればいいのか」と不満の声が上がった。 https://www.cabrain.net/news/article/newsId/15170.html