朝日の精神は? あらたにす発足だが。


きょうの朝日社説は、「あらたにす発足―言論の戦いを見てほしい」というもの。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu2

朝日・読売・日経の共同ポータル始動にともなう主張だ。
平民新聞」の創刊宣言を冒頭でとりあげている。

吾人(ごじん)は人類をして博愛の道を尽(つく)さしめんが為めに平和主義を唱道す。故に人種の区別、政体の異同を問はず、世界をあげて軍備を撤去し、戦争を禁絶せんことを期す

でも、これはやぶへびだった。
当時の発行スタッフの、言論人として屹立した精神と朝日のそれを比べざるをえないので、そうすれば、おのずと落差の大きさを嘆かざるをえない。
たとえば、ぬるまゆにつかってすごす日々この記事の指摘。
ごもっとも。同感。
管理人さんは、対立をあおるものと記事を指弾されている。

外来の初診料は、前回06年度改定で開業医、勤務医とも2700円に統一された。だが、同じ病気での2回目以降の診察にかかる再診料は、勤務医570円(ベッド数200床未満)に対し、開業医は710円。

という表現は、指摘にあるように正しくない。

再診料は、勤務医と開業医で区別されているというわけではないし、勤務医と開業医に入るものでもない。病院あるいは診療所として届けられている医療機関に入るにすぎない。アメリカならば、制度的に、ドクターフィー(doctor fee)、ホスピタルフィー(hospital fee)というものがあって、それぞれ医師と病院に支払われるのだが。

記者は、中医協関係の会見配付資料かあるいは発表者側のレクチャーをそのまま記事にした可能性がある。だとするとこんどは発信者側の恣意性が問われる。
「無責任で不正確な情報があふれる中では、きちんと裏付けを取った正確な情報を発信する新聞の役割がますます重要になる」と社説はいうのだが、そっくり朝日に返さなきゃ。
制度を把握せず不正確な情報を発信する非常識を疑う。不正確を通り越して、意図的な記述を流すのであれば、いよいよジャーナリズムとしての価値はない。